君があまりにもあまい笑い方をするから、




 最後にピンク色のストロベリーアイスが重ねられて、神崎直は思わず「うわぁ」と感嘆の声を上げる。三段重ねでどうにもバランスをとりづらそうなコーンアイスを上から下まで眺めて、直はにんまりと満足そうに笑った。
「ほら見てください秋山さん!」
 こどものようにはしゃぎながら、彼女が好きな味だという3つのアイスクリームをずいと目の前に掲げられた。…確かさっきはダイエットのために甘い物は控えるとかなんとか宣言していなかったか。秋山深一は思わず突っ込みたいのをなんとか抑えてカウンターに代金を置いた。(あ、私が自分で払うっていったのに!という声は当然無視する)店員のにこやかな対応をやり過ごすと、直のほんの少し申し訳なさそうな、でも目の前の甘味につられてとても嬉しそうな、複雑で単純な表情を浮かべていた。それでも最後には「ありがとうございます!」ととびきりの笑顔で礼を述べる。その笑顔でさっきの突っ込みは心底どうでもよくなった。

 テイクアウトのアイスクリームが崩れないように、普段のペースよりも幾分かスローになった歩調に苦笑しながら、「大丈夫か」と一応声を掛けてみる。直はよほど気になるのだろう、「はい」と答えて見せたものの、視線はしっかりとてっぺんのストロベリーアイスに縫いとめられたままだ。今度はしっかり彼女に聞こえるように溜息をついてみせた。
「お前、それ全部食べる気か」
「いいえ、大丈夫ですよ!ちゃんと秋山さんの分もありますから」
「は?」
 ちょっと待て。回答が質問の内容とずれてないか、というより、俺の分もあるってどういうことですかカンザキナオさん。
 秋山の困惑など知る由もなく、直は顔を上げて、とてもかわいらしくにっこりと微笑んでみせた。
「秋山さんは、いちごとキャラメルとチョコ、どれがいいですか?」
 私一人じゃとてもトリプルなんて食べ切れませんからね、秋山さんにも手伝ってもらいます!と非常に楽しそうな彼女の発案を断れるはずもなく、秋山は諦めて従うしかなかった。




キラースマイル
普通のデート風景とか
(070619)